鳥と暮らす家のゴキブリ対策/安全にできる害虫予防と注意点。

鳥の暮らしを守る知識

インコや文鳥などの小鳥と暮らしていると、生活の中でひとつ大きな悩みとなるのが「ゴキブリなどの害虫対策」です。

特に夏場や湿気の多い時期は、どんなに気を付けていても不意にゴキブリが出てしまうことがあります。

しかし、市販の殺虫剤を安易に使ってしまうと、実は鳥に深刻な影響を与えてしまうことがあるのをご存じでしょうか?

この記事では、鳥にとって危険な殺虫剤のリスクと、鳥と暮らす家庭でも安心して実践できるゴキブリ対策を詳しくご紹介します。

鳥と殺虫剤の危険性

小鳥は人間に比べて呼吸器がとても敏感です。
呼吸の仕組みが人間とは異なり、肺に加えて「気嚢」と呼ばれる空気袋を持っていて、効果的に酸素を取り込む構造になっています。

そのため空気中の有害物質を体内に取り込みやすく、わずかな化学物質でも健康を害してしまいます。

市販の殺虫スプレーの多くは「ピレスロイド系」と呼ばれる成分を含んでいます。
これは人間や犬猫には比較的安全とされますが、鳥には強い毒性を示すことが知られています。

実際に、殺虫剤を使った直後の部屋に鳥を戻していしまい、呼吸困難や中毒症状(鳥の中毒症とは)を起こしたケースも報告されています。

特に注意すべきなのは以下のタイプです。

  • エアゾール系のスプレー(ゴキジェットなど)
  • 煙を焚くタイプのバルサン・燻煙剤
  • 床や壁に噴霧する残効性の薬剤

これらは揮発性が高く、ゲージや羽毛、食器に成分が残留してしまうため、換気をしても安心とは言えません。つまり「鳥がいる環境で殺虫スプレーは基本的に使わない」というのが大前提になります。

安全にできる害虫対策(予防編)

害虫対策の基本は「入れない・増やさない」

まずはゴキブリが住み着きにくい環境を整えることが、鳥を守る最も安全で確実な方法です。

エサの管理

  • 鳥の食べ残したシードや果物を放置しない。
  • 皮付きの餌は殻が散らばりやすく、それがゴキブリの餌になる。こまめに掃除を。
  • 餌のストックは密閉容器に入れて、ジップロックはしっかり閉めて保存。

水回りの清掃

  • ゴキブリは湿気を好むため、シンクや床に水気を残さない。
  • ゲージの水入れ交換時、周囲が濡れたら拭き取る習慣をつける。
  • 排水口にはネットをつけ、食べかすが流れないように。

巣や隙間を塞ぐ

  • 冷蔵庫や家具の裏など、隙間を塞ぐことで住処を無くす。
  • 隙間テープやコーキング剤を活用。
  • 段ボールはゴキブリの格好の巣になるので保管せず処分。

こうした日々の対策の積み重ねが、薬剤に頼らない安全な対策に繋がります。

安全にできる害虫対策(駆除編)

それでも万が一、ゴキブリが出てしまった時の対処法も準備しておきましょう。

捕獲器・トラップを利用

  • 「ゴキブリホイホイ」など粘着式のトラップは化学成分を使わず安全。ただし、鳥が遊んで触れないように設置場所に注意。

ベイト材(毒餌)使用時の注意

  • ホウ酸団子や毒餌タイプは、誤って鳥が口にすると危険。
  • 必ずケージや遊び場から離れた、家具の隙間など「鳥が絶対に届かない場所」に設置。
  • 設置後は掃除中などにうっかり露出しないよう気を付ける。

スプレーをどうしても使う場合

  • 鳥を別室に移し、部屋を完全に締め切った状態でピンポイント噴射。
  • 使用後は換気を徹底し、床や壁が乾いてから鳥を戻す。
  • ケージや餌皿には絶対にかからないよう注意
  • 冷却系の殺虫スプレーを使用する。

鳥飼いさんにおすすめの自然派対策

「できるだけ化学薬剤を使いたくない」という方には、自然の力を活かした方法もおすすめです。

  • ハッカ油スプレー
    ゴキブリが嫌う匂い。ただし鳥のいる部屋での大量散布はNG。玄関や窓の隙間など限定的に使用。
  • 重曹・クエン酸での掃除
    食べかすや油汚れを分解でき、鳥にも安心。ゴキブリが餌を探しにくい環境を作れる。
  • ホウ酸水を使った罠
    ペットが触れられない場所に設置する必要があり。こぼれる可能性もあり、注意が必要。

害虫駆除業者に依頼する場合の注意点

どうしても手に負えない場合はプロに相談するのも手です。

ただし、その際は「鳥を飼っている」と必ず伝えること。業者によっては鳥を別室に避難させた上で、影響の少ない薬剤や方法を提案してくれます。

まとめ

鳥と暮らす家でのゴキブリ対策は、「薬剤を使う前に予防と環境づくりを徹底すること」が何より大切です。

  • 殺虫スプレーやバルサンは基本的に使用しない。
  • 餌の管理、水回りの清掃、隙間対策で侵入を伏せ図。
  • 出てしまった場合はトラップやベイト剤を鳥の手の届かない場所で活用。
  • やむを得ずスプレーを使う場合は、鳥を必ず別室に避難させる。

引っ越した先でゴキブリが多く、時には鳥かごの中に居たりと…嫌な思いをたくさんしました。そのためベイト剤をたくさん置いたり、冷却系の殺虫スプレーを使用しました(鳥を避難・換気を徹底しゴキジェットも)。また掃除も頻回にするようにしたことで、最近では出ることが減りました。しかし鳥の居る生活空間は温度管理も徹底していることから、ゴキブリも快適です。そのため対策を徹底し、害虫の出ない、鳥も人間も快適な環境を作りましょう。

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