文鳥を飼っていると「尾脂腺(びしせん)」が腫れていることに気付くことがあります。一見すると深刻そうに見えますが、すぐに命に関わるとは限りません。とはいえ放置してよいものでもなく、日々の観察と適切な対処が大切です。
この記事では、尾脂腺が腫れる原因・症状・放置するとどうなるのか・自宅でできるケア・病院に行く目安を、初心者でも分かりやすいように解説します。

尾脂腺とは?文鳥の体にある小さなオイル工場
尾脂腺とは、鳥類のお尻の付け根、尾羽の根本辺りにある小さな分泌腺です。
ここから出る油分をくちばしで羽に塗り込むことで、羽がしなやかに保たれ、水弾きをよくします。
- 羽の防水・保湿
- 羽の保護(ほこり・菌から守る)
- 羽繕いを助ける
といった役割があり、鳥にとって健康を保つための重要な器官です。
文鳥の尾脂腺が腫れる主な原因
尾脂腺の腫れには、いくつかの原因が考えられます。
- 脂肪の沈着(肥満や高脂肪食)
シード(向日葵やカナリーシード)を多く食べる、運動不足、肥満傾向の鳥では脂肪が尾脂腺に溜まりやすくなります。 - 分泌物の詰まり(嚢腫)
油分が固まり、出口が塞がると袋状に腫れてしまうことがあります。 - 腫瘍(良性・悪性)
脂肪腫や腺腫など、腫瘍性の変化によって腫れることがあります。 - 感染(細菌・真菌)
傷や詰まりから細菌・カビが入り、炎症や化膿を起こすこともあります。
うちのケースでは、赤みや膿がなく、痛みも無さそうなので感染の可能性は低いと考えています。 - 遺伝的・体質的な要因
一部の個体では、特に理由がなく慢性的に肥大している場合もあります。
症状と観察のポイント
時期によって腫れ具合が変わります。現在は落ち着いておりこの程度です。

尾脂腺が腫れているとき、以下のサインをチェックしましょう。
- 軽度(比較的安心)
・中央に豆粒大の腫れ
・赤みや膿が無い
・痛がらず、食欲・元気も普段通り - 中等度(注意が必要)
・赤みや熱感がある
・羽繕いの回数が減る
・水浴びを嫌がる - 重度(受診必須)
・血や膿が出る
・羽が汚れて飛びにくい
・食欲不振、体重減少
「腫れているけど普段通り」という場合は、すぐに危険というわけではありません。ですが変化を記録して、観察を続けることが大切です。
放置するとどうなる?
軽度の腫れでも、放置して悪化すると以下のリスクがあります。
- 感染→膿瘍(膿が溜まる)
- 腫瘍化(悪性腫瘍の場合は転移の可能性)
- 羽の防水性低下→水浴びできない・飛行困難
- 慢性炎症→体力低下、寿命への影響
「ただの腫れ」と思っていたものが、後々大きな病気に繋がる可能性もあるのです。
自宅でできる観察とケア
初心者でもできる日常のチェックとケアをご紹介します。
- 毎日の観察
腫れの大きさ、色、羽の状態をチェックしましょう。写真を残すと変化が分かりやすいです。 - 体重測定
1g単位で測れるスケールを使い、週1回の体重管理をお勧めします。脂肪沈着の早期発見に役立ちます。 - 水浴びを促す
水浴びで尾脂腺の詰まりを防ぎ、羽の健康も保ちます。 - 食事の見直し
・シード中心ならペレットを混ぜる
・青菜や小松菜を与える
・高脂肪シード(向日葵など)は控える - ストレス軽減
適度な放鳥、安心できる環境が免疫力を支えます。
動物病院を受診すべきタイミング
以下のサインがあれば、早めに鳥専門の獣医師に相談してください。
- 腫れが急に大きくなった
- 赤み・熱・膿・出血がある
- 痛がる・噛む・羽繕いをしない
- 食欲が落ちた、体重が減ってきた
- 羽が汚れて飛びにくそう
獣医師の元では、視診・触診のほか、細胞診(針を刺して調べる)やレントゲン検査が行われることもあります。治療としては洗浄・薬の投与・外科的処置など、原因に応じた対応が可能です。
まとめ
- 文鳥の尾脂腺は羽の健康に欠かせない器官
- 腫れの原因は、脂肪沈着・詰まり・腫瘍・感染など様々
- 軽度なら経過観察も可能だが、悪化すると羽のトラブルや全身の健康に影響する
- 毎日の観察・体重管理・食事改善・水浴びが予防のカギ
- 変化が出たら迷わず鳥専門の獣医師へ
愛鳥が元気に過ごせるように、ちょっとした変化に気付いてあげられのは飼い主さんだけです。「いつもと違うな?」と思ったら、ぜひこの記事を思い出して参考にしてください。
うちではクリームイノ文鳥のきいちゃんが尾脂腺が腫れています。気が付いたら結構腫れていました。でも発赤や熱感など感染兆候は無かったので様子を見ています。病院行って針刺してもらっても感染する可能性もあるので、病院が必ず良いって訳ではないと思います。
腫れが落ち着いている時は、普段見えません。水浴びをしたときによく腫れているのが見えます。

